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昨夜のご飯を思い出せますか?―記憶はどのように作られ、失われるのか(TED)

記憶

ライフハックとしてではなく、英語学習にも極めて有用なのが、著名人が10分程度のプレゼンを行うTEDです。

TED Talksとは、あらゆる分野のエキスパートたちによるプレゼンテーションを無料で視聴できる動画配信サービスのことです。10年ほど前にサービスが開始されてから、政治、心理学、経済、日常生活などの幅広いコンテンツが視聴できることから人気を集めています。

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TEDは4000を超える膨大な数の動画があります。しかし慣れないうちは、動画の探し方や視聴のコツが分かりませんよね。この記事では、数多くのTEDを見てきた管理人(塩@saltandshio)が、心を揺さぶられたトークをあらすじと一緒にご紹介します。

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キャサリン・ヤング:記憶はどのように作られ、失われるのか

キャサリン・ヤング:記憶はどのように作られ、失われるのか

すごく鮮明な記憶のことを思い返してください。できましたか? では、3週間前の昼食は何だったか思い出してみてください。2番目の記憶はおそらくそんなに強いものではないでしょう。でもどうしてなんでしょうか?なぜ思い出せることと思い出せないことがあるのでしょう? そしてなぜ記憶は最終的に薄れていくのでしょうか? キャサリン・ヤングが記憶やその消失についての基礎を教えてくれます(約4分)。Catharine Young / How memories form and how we lose them.

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記憶はどのように作られるのか

昨夜の晩ごはんはなにを食べたか覚えていますか?ちょっとしたことが思い出せない…と感じることはありませんか?なぜ物忘れは起きるのでしょうか。そもそも、どのようにして記憶は脳に蓄積させていくのでしょうか。それぞれ順番にみてみましょう。

いまはスマートフォンが電話帳代わりになり、電話番号を覚えるということがほとんどなくなりました。しかし、むかしは家の番号から知り合いの番号までいくつか覚えていたものです。では電話をかけようとしたとき、実際に脳のなかではどのようなことが起きていたのでしょうか。電話をかけようとしたとき、その体験は神経細胞の電気信号に変換されニューロンのネットワークに沿って勢いよく伝達されます。

ニューロンとは神経系を構成する基本単位。神経細胞あるいはノイロンともいう。形態的に分けると,細胞体,樹状突起,軸索突起からなっている。形は球形,三角形など多様。

ニューロンとは / ブリタニカ国際大百科事典より

情報はまず短期記憶に到着します。その後、海馬などの領域を通って情報は長期記憶に送られます。そして最終的には脳のあちこちにある貯蔵領域に届き、脳全体のニューロンがシナプスと呼ばれる特定の部位を介して情報伝達しています。この2つのニューロンが情報伝達を繰り返すことによって、両者間の情報伝達の効率が増していきます

「長期増強」と呼ばれるこのプロセスが、記憶の長期的貯蔵のメカニズムだと考えられています。

This process, called long term potentiation, is considered to be a mechanism by which memories are stored long-term.

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記憶の消失が起きる理由(1)年齢

記憶が『作られていく』のは、2つのニューロンが情報伝達を繰り返して情報伝達の回路を太くしていたから、というのはわかりました。では、記憶が蓄積されていく一方で、なぜ失われていく記憶があるのでしょうか。その原因のひとつは年齢です。

歳をとるとシナプスが弱ってうまく働かなくなり、記憶の検索しやすさに影響を及ぼすといわれています。科学者はこの衰えの背景についていくつかの説を唱えています。

海馬の神経細胞は10年ごとに5%ずつ減少し、80歳までに20%減少するといわれています。また、学習と記憶に不可欠なアセチルコリンなどの神経伝達物質の生産量も減少するという説もあります。

From actual brain shrinkage, The hippocampus loses 5% of its neurons every decade for a total loss of 20% by the time you’re 80 years old to the drop in the production of neurotransmitters, like acetylcholine, which is vital to learning and memory.

このような加齢による物理的な変化は、蓄積された記憶を呼び出すことに影響を及ぼすと考えられています。また、年齢を重ねると肉体的にも精神的にも疲労が増していくものです。これらのことも、加齢による記憶の低下の一因になっていると考えられています。

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記憶の消失が起きる理由(2)ストレス

記憶が失われる原因は年齢だけではありません。慢性的なストレスもまた記憶低下の原因のひとつと考えられています。

仕事やプライベートに追われる日々を送っていると、私たちの身体は過敏に反応するようになります。この反応は、私たちが危機の中で生き残れるように設計された生理的メカニズムから進化したものです。

When we’re constantly overloaded with work and personal responsibilites, our bodies are on hyperalert. This response has evolved from the physiological mechanism designed to make sure we can survive in a crisis.

過剰なストレスを常に抱えていると、結果的に脳細胞は失われて新しい細胞を作ることもできなくなってしまいます。その結果、新しい情報を保持する能力に影響を及ぼしてしまうのです。

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記憶の消失が起きる理由(3)うつ病

過剰なストレスの結果に引き起こされる病気として、その最たるものがうつ病でしょう。実際にうつ状態にある人は、記憶に問題を抱える可能性が40%増すといわれています。

セロトニンという覚醒に関わる神経伝達物質の量が低下すると、抑うつ状態にある人は新しい情報に注意を向けにくくなります。また、過去の悲しい出来事をひきずるという、うつのもう1つの症状により現在に注意を払うことが難しくなり、短期記憶を貯蔵する能力が影響を受けます。

Low levels of serotonin, a neurotransmitter connected to arousal, may make depressed individuals less attentive to new information. Dwelling on sad events in the past, another symptom of depression, makes it difficult to pay attention to the present, affecting the ability to store short-term memories.

また、孤立が記憶低下を招く恐れがあるのも、ハーバード公衆衛生大学院の研究でわかっています。まわりと繋がりが深い高齢化は、そうでない高齢者よりも記憶の減退が緩やかだったのです。正確な理由まではわかっていませんが、人との交流やコミュニケーションが脳全体の運動になっていることがその理由ではないかと考えられています。

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まとめ:運動と栄養は脳を元気にする!

ストレスも多く、友人も少ないからといっても、落ち込むことはありません。記憶力低下を防ぐ代表的な2つの方法を紹介しましょう。それは運動と栄養です。

身体を活発に動かしましょう。脳への血流を増すことが役に立ちます。そして、きちんと食べましょう。脳が正しい機能を保つにはきちんとした栄養が必要です。

Make sure you keep physically active. Increased blood flow to the brain is helpful. And eat well. Your brain needs all the right nutrients to keep functioning correctly.

最後に、脳にも運動をさせましょう。あたらしい言語を学習したり、趣味を見つけて体験することは、記憶を無傷に保つための最良の防御策の1つといえるでしょう。

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英語全文

Think back to a really vivid memory. Got it? Okay, now try to remember what you had for lunch three weeks ago. That second memory probably isn’t as strong, but why not? Why do we remember some things, and not others? And why do memories eventually fade?

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Let’s look at how memories form in the first place. When you experience something, like dialing a phone number, the experience is converted into a pulse of electrical energy that zips along a network of neurons. Information first lands in short term memory, where it’s available from anywhere from a few seconds to a couple of minutes. It’s then transferred to long-term memory through areas such as the hippocampus, and finally to several storage regions across the brain. Neurons throughout the brain communicate at dedicated sites called synapses using specialized neurotransmitters. If two neurons communicate repeatedly, a remarkable thing happens: the efficiency of communication between them increases.

This process, called long term potentiation, is considered to be a mechanism by which memories are stored long-term, but how do some memories get lost? Age is one factor. As we get older, synapses begin to falter and weaken, affecting how easily we can retrieve memories. Scientists have several theories about what’s behind this deterioration, from actual brain shrinkage, the hippocampus loses 5% of its neurons every decade for a total loss of 20% by the time you’re 80 years old to the drop in the production of neurotransmitters, like acetylcholine, which is vital to learning and memory. These changes seem to affect how people retrieve stored information. Age also affects our memory-making abilities. Memories are encoded most strongly when we’re paying attention, when we’re deeply engaged, and when information is meaningful to us.

Mental and physical health problems, which tend to increase as we age, interfere with our ability to pay attention, and thus act as memory thieves. Another leading cause of memory problems is chronic stress. When we’re constantly overloaded with work and personal responsibilites, our bodies are on hyperalert. This response has evolved from the physiological mechanism designed to make sure we can survive in a crisis. Stress chemicals help mobilize energy and increase alertness. However, with chronic stress our bodies become flooded with these chemicals, resulting in a loss of brain cells and an inability to form new ones, which affects our ability to retain new information.

Depression is another culprit. People who are depressed are 40% more likely to develop memory problems. Low levels of serotonin, a neurotransmitter connected to arousal, may make depressed individuals less attentive to new information. Dwelling on sad events in the past, another symptom of depression, makes it difficult to pay attention to the present, affecting the ability to store short-term memories. Isolation, which is tied to depression, is another memory thief. A study by the Harvard School of Public Health found that older people with high levels of social integration had a slower rate of memory decline over a six-year period. The exact reason remains unclear, but experts suspect that social interaction gives our brain a mental workout. Just like muscle strength, we have to use our brain or risk losing it.

But don’t despair. There are several steps you can take to aid your brain in preserving your memories. Make sure you keep physically active. Increased blood flow to the brain is helpful. And eat well. Your brain needs all the right nutrients to keep functioning correctly. And finally, give your brain a workout. Exposing your brain to challenges, like learning a new language, is one of the best defenses for keeping your memories intact.

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