鎧伝サムライトルーパーとは
『鎧伝サムライトルーパー』は、1988年4月30日から1989年3月4日まで、名古屋テレビを制作局としてテレビ朝日系列で毎週土曜に全39話が放送された、サンライズ制作のテレビアニメ。
キャッチコピーは「俺の心に鎧が走る！」。
1990年代はじめには一大ムーブメントを起こし、現在の声優ブームの先駆けにもなりました。今なお根強い人気があり、2022年には森口博子＆草尾毅が歌う『サムライハート ～2022～』が全世界配信。
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ここでは、『鎧伝サムライトルーパー』の感想と見どころ、そして各資料を踏まえての考察をご紹介いたします。
輝煌帝伝説・第2話 黒い輝煌帝 あらすじ
遼と征士が目を覚ますと、見知らぬ草原にいました。あきらかに日本ではないサバンナの景色です。周りを見ても、黒い輝煌帝を着た戦士はいません。その頃、残された仲間達は遼達の行方を模索していました。しかし、伸の表情は曇ったままです。
「遼が輝煌帝に変身しようとした時、なぜ力を貸さなかった!?」
問い詰める秀に、伸の抑え込んでいた気持ちが爆発してしまいます。大切な仲間達が傷つき倒れるのを見るのはもうたくさんだと言う伸を、当麻が落ち着かせようとします。しかし、逆に当麻を殴り飛ばしてしまった伸は、秀の怒りを買ってしまいます。喧嘩を始めた二人に純が仲裁に入りますが、伸は気持ちの整理が付かずに柳生邸を飛び出してしまいます。そして、ついに湖面に水滸の鎧珠を投げて鎧と決別するのでした。
＜続きを読む（※ネタバレを含みます）＞
伸が飛び出した柳生邸では、ナスティが必死に黒い戦士の行方を調べていました。そこには当麻と秀の姿がありません。純は、部屋に閉じこもっていた当麻と秀のもとを訪れます。そして、もうお兄ちゃん達は仲間ではないかとたずねます。俺達は仲間だよと答える当麻に、それならなぜナスティが一人で必死に遼と征士の行方を捜しているのだと涙ながらに訴えます。その言葉にようやく頭が冷えた当麻と秀は、ナスティのいる書斎へと行きます。そして、黒い戦士が武装した際に言った言葉から、ようやく遼と征士の行方を辿る糸口が見えてきたのでした。
黒い戦士に倒された遼と征士は、どこかの牢に入れられていました。そこに、一人の少女がたずねてきます。少女はナリアといい、彼女の話から遼と征士はいまタンザニアにいることを知らされます。ナリアは、あの黒い輝煌帝を着ていた戦士は、古代王国の末裔でタウラギ族の土地を守るために黒水晶の鎧（黒い輝煌帝）を着た、ムカラという名の青年であることを伝えます。ナリアは、ムカラの許嫁でした。
ムカラはいま、黒い輝煌帝の意志によって輝煌帝との戦いを求めていると、ナリアが言います。しかし、ナリアはムカラにも遼達にも戦ってほしくないと伝えます。ナリアの助けを借りて、牢を出た遼と征士でしたが、その前にムカラが立ちはだかります。有無を言わせず襲い掛かるムカラに、遼と征士はふたつの必殺技を合わせた合体技を放ちます。ムカラを倒したと思ったのもつかの間、ガレキの中から再びムカラが現れるのでした。
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見どころ
- 冒頭、遼→秀→当麻の三人のナレーションで始まる。
- 「三人でどう戦う？」と言う伸。三人ではムカラに歯が立たない。そもそもが戦いたくないので、だんだんと秀と言い合う論点がズレてくる。
- 大地の向こうからやって来るムカラを、最初に見つけたのは征士（さすが、カボチャ好き。視力が超良い）。
- 同じ衝撃を受けているのに、なぜか兜だけ壊れる。
- 遼に続き、秀も芝居が下手。
- とてもワイルドに気絶している遼を起こすナリア。
- 【驚異】アンダーギア無しで、遼と征士と一緒のスピードで走れるナリア。
- 征士→当麻→遼の順番で次回予告。
ここに注目！
輝煌帝伝説は、オープニングとエンディングの映像が一新されます。随所に桜が散りばめられており、ラストも満開の桜が咲き誇るという印象深い映像になっています。浜津守監督の創作メモには、この映像に込められた思いが書かれています。
桜が満開になると、人々は浮かれてより集まり、陽気になりますが、これは鎧が歴史の表面化から消えた江戸時代からの話です。大昔は桜の花の下は恐ろしいとは思っても、絶景だなんて誰も思わなかったそうです。
鎧伝サムライトルーパー 輝煌帝伝説より
（中略）
鎧が大衆にとって不可視の状況にある現世において、桜吹雪の持つ狂おしい美しさは鎧世界の危険な力を象徴しています。桜の樹の下には鎧が埋まっている！これは信じていい事です。
ほかには、考え方の違いで意見が割れたことにより、第2話で伸が戦線離脱します。なぜこのようなシーンが生まれたのでしょうか。
第2話の見どころのひとつが、この仲間同士の考え方の違いによる、いさかいのシーンだ。今までになかったシチュエーションを描こうという、スタッフの熱意がヒシヒシと伝わってくる名シーンだった。
鎧伝サムライトルーパー 輝煌帝伝説より
伸の怒りが爆発した理由も、ムック本には3つ挙げられています（なんと、理由が3つもあったのです）。
- 自分でも説明できない不安な感情
- 伸の抱える不安を、当麻と秀が気付いていない焦り
- 遼を助けられなかった自責の念
伸の心に抱えた葛藤は、次作のMESSAGEでもうかがえます。このあたりから、伸は戦いに対して、当麻とは違う視点で冷静に見始めたのかもしれません。
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